新たな学び
革製品を作る利用者さんには、十人十色いろんな方がいます。
一人で作業をできる方もいますが、職員と一緒に作業を行う方もいます。
一人で作業できる方に、革作業の話しをすると「楽しい」「あれやりたい」「この色が良い」など自分の思いを言葉で伝えてくれるのですが、職員と一緒に作業をする方は、自分の思いを言葉で伝えることは難しいです。
言葉で伝えることが難しい利用者さんはどんな思いで革作業をやっているのだろうか。
ふと、そんなことを思い、作業風景を見てみました。
ある利用者さんは木づちを持つと、積極的にトントンと木づちで打って、刻印をしていました。話しを聞くとお父さんが大工さんだとか。
また、違う利用者さんは、普段は動きがゆっくりですが、ニス塗りの筆を見せると、サッと筆を持ち、ササッと軽快な動きで筆を走らせて塗っていました。
二人の利用者さんとも、職員と一緒でなければ作業はできませんが、革作業を積極的に行っていて、きっとやらされているわけではなく、やりたいのだろうなという事を感じることができました。
また、表情がとても良くて、楽しいのだろうなということも感じることができました。
自分の気持ちを言葉で伝えることが難しい方も行動や表情を見ることで、その方の思いを感じることができます。
また、「次は何色の革がやりたいですか?」「上手にできましたね!」など職員が積極的に利用者さんに言葉を掛けていました。
利用者さん一人一人の行動や表情を見逃さず、利用者さんにあった言葉掛けをしていくことも、作業をする上で大切なのだという事を学びました。
普段何気なく作業をしていても、きっと利用者さんには思っていることがあって、職員はその思いを感じとって作業をすることで、お互いにやりがいや楽しみをみつけることができるのだと思います。そういうことを意識して、今後も利用者さんと共に作業を行っていきたいです。